主演:トーマス・ジェーン
ジャンル:SFホラー
公開日:2008年
上映時間:125分
-こんな人にオススメ!-
✓パニック映画好きの方
こんな人にオススメ!
『ミスト』は正直、『面白いから!』とか『凄いよ!』と言ってお薦めできる作品ではないです。
ですから、
どんな人にお薦めかというのは難しいところですが人間の恐怖心理パニックが好きな人や、『ソウ』のような絶望しかないような作品が好きな方にはお薦めです。
しかし『ソウ』のように一応ゲームが終わり、その時は『終わったんだ…』と思えますが、この『ミスト』は最後に助けが来ても『助かった…!』とは感じれません(笑)
何でもう少し決断を遅くしなかったんだ…!
違う選択があったんじゃないのか!?と後悔と後味の悪さしかありません。
そういった絶望を感じたい方にはお薦めな作品だと思います。
これを読んでいる方も私と同じ『後味の悪さ』を感じてみて下さい…。
簡単なあらすじ
原作はスティーブン・キングの中編小説『霧』です。
田舎に住んでいるがニューヨークやハリウッドで活躍する画家のデヴィット。
その田舎町を激しい嵐が襲った翌朝、湖畔にある自宅の窓やボート小屋が壊れているのに気づく。
デヴィットは8歳の息子・ビリーを連れて地元のスーパーマーケットに車で向かいます。
スーパーは客が大勢いたが冷蔵庫以外は停電していてざわついていた。
しばらくすると店外でパトカーや救急車のサイレンが鳴り始め店内は更にざわつく。
そこへ鼻血を出した男がスーパーの中に逃げ込んでくる…
そして『霧の中に何かがいる!』と叫ぶのだった。
気づくとスーパーの外は濃く白く不気味な霧に包まれ、店は大きな揺れに襲われるのだった…。
映画の感想
この『ミスト』という作品を最後まで観て私が感じたのは『何て後味の悪い作品なんだ…』でした。
スティーブン・キング原作というのを知らずに観たのですが、後で知ってこの後味の悪さに納得しました。
スーパーに閉じ込められた客達は霧の中から襲ってくる『何か』に怯えて店に閉じこもる人々の集団心理も
恐ろしい作品だな~と感じさせられます。
正体が分からない不気味な触手や巨大な昆虫(勿論見た事もない種類の蟲)に襲われて怪我をしたり行方不明になったりする人が増えると、この状況を『旧約聖書の黙示』と結びつける狂信的な信者カーモディ婦人が発する聖書の言葉に傾いていくのです。
宗教観の薄い日本人にとっては、ある意味不思議ですが極限状態になると人間て何かに縋りつきたくなるのだな…と感じました。
カーモディに縋る一派は段々と行動がエスカレートしていきます。
自分達に従わない人々を従わせようとするのです。
さらに、この謎の霧を作り出したのが街の近くにある軍の特殊な作戦だったと分かると、軍人の青年をリンチして殺してしまうのです!そんな事をしても何も解決しないのですが、霧の中の怪物に襲われ閉じ込められた状態のストレスを発散させるように、その作業は行われました…。
エスカレートする行動を見てデヴィットは息子を連れて店から逃げ出そうと考えます。
私も子供がいるので、もしかしたら『こんな所にはいれない!子供が殺されるかも…』と思い大人しくしているか逃げ出すか…の選択をすると思います。
デヴィットは『脱出』するを選択します。
考えに賛同してくれる人々を連れて車で脱出を図ります。
外に出てデヴィット達が見たのは…
山よりも大きなダリの絵画に出てくる足の長い象のような怪物が闊歩していたり、まるで死に絶えたような街でした。
これはもう絶望しかないな…と思いました。
しかし、ハリウッド映画では大概最後はこういう原因を力任せに(笑)何とかしてハッピーエンドとなるのですが…スティーブン・キングはそうはさせてくれませんでした…。
そういった最後を期待して観ていたのですが…このデヴィットも一緒に脱出した人達も『もう、この霧からは逃げられない…』と諦めてしまいます。
そして車の中に残ったデヴィットを含めた5人は『ここで死のう』と暗黙に決めると、持っていた銃の引き金を引くデヴィット…
勿論、自分の息子ビリーもその中に含まれています…ここで残しても生き残れないなら『いっそ…』という気持ちで撃ったのでしょう。親としては何とも言えない選択です。自分だったら出来るかどうか…それを出来てしまうデヴィットにも恐怖を感じました…。
残っていた弾は4発だったので皆を先に逝かせたデヴィットは1人取り残されて見たのは…晴れていく霧の中から現れた軍隊。全てを終わらせた後に助けがやってきたのです…!自分の子供まで殺してしまった後に何だこの展開は!と、それを観て本当に絶望と後味の悪さを感じました…。
この作品を観た後、あまりの後味の悪さに眠れなくなるくらいでした。
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